「国際都市」と博物館
「タペストリー都市」とは?
オービュッソンのタペストリーが2009年にユネスコ無形文化遺産に登録されたことに呼応して、「国際タペストリー都市」は誕生しました。
この新しい施設は、ヌーヴェル・アキテーヌ地域圏、クルーズ県議会、クルーズ・グラン・シュド コミューン共同体の混成事務組合で運営されています。同組合は、 Jean-Jacques Lozach上院議員およびValérie Simonet 県議会議長が共同で議長を務めています。
オービュッソン国際装飾美術学校の跡地を全面改修し、2016年7月10日、フランス大統領による除幕とともに「国際タペストリー都市」はオープンしました。
貴重な遺産・野心的な現代創作
「国際タペストリー都市」の使命は、この素晴らしい技術を保護し、豊かにし、より魅力的なものにすることです。科学的・文化的に新しく設計された当館では、5世紀半にわたるオービュッソンのタペストリー制作の歴史を辿ることができます。
過去に根付きつつも、当館は、未来も見据えています。現代タペストリー創作に向けた地域圏基金とともに、オービュッソンでの創作活動の活性化に取り組んでおり、特に2010年からは毎年、この分野におけるコンテストを実施しています。
今なお生きる技術
織りや表現手法に関する技術を継承していくことも当館の使命です。GRETAクルーズへの委託を通じて、ほぼ20年ぶりに、織り手の養成を再開しました。この試みは、2013年~2014年の新しいアトリエの開設につながり、雇用の維持に貢献しました。
「国際タペストリー都市」は、小規模ながらも存続する一連の関連産業(製糸業者、染色業者、下絵職人、織職人、修復家)を促進、支援しています。同産業は約120名の雇用を当地で生んでいます。この新しい文化施設は、世界的に知られる技術を軸に、これらの関連団体を結集させ、類い希なアイデンティティを再認識するものなのです。
これは経済発展にも資するものです。中央高原に位置するこの地において、ホテルやレストラン等のサービス業や、テキスタイルアート/ファイバーアートおよび各種織物関係者の居留といった波及効果が期待されています。
緻密な建築計画
この新しい施設は、国際装飾美術学校の跡地に、2016年夏、オープンしました。1969年にRobert Danis 氏によって設計された同学校は、Terreneuve設計事務所の指揮の下、改修されました。館内の斬新な演出は、Frédérique Paoletti 氏とCatherine Rouland 氏によって企画されたものです。
演劇装飾の技術に着想を得た館内展示では、オー ビュッソン・タペストリーの世界に浸ることができます。また、Mobilier National の修復アトリエもあります。常設展示スペースは、2011年から当館が管理する旧タペストリー県立美術館に比べ、3倍の広さを誇ります。当館のコレクションは、「Musées de France」の登録を得ています。
当館はまた、他の役割も担っています。現行のオービュッソン・タペストリー県立資料館と旧国際装飾美術学校の収蔵品を集めた資料館、研修所、現代創作のプラットフォーム、芸術家の駐在所、教育・公共サービス、創作者の養成所およびアトリエ、大規模制作用の織り手のアトリエなどです。
革新的な博物館
新しい科学的・文化的な館内設計は、遺産と来館者、経済活動、創作活動に寄与するために、当館の様々な機能間で相乗効果が生まれるよう意図されています。すなわち、ユネスコ無形文化遺産に登録された偉大な遺産を普及させること、何世紀にもわたるオービュッソン・タペストリーの技術に関する見識を育み、形式化し、分かりやすく提供すること、収蔵品・地域・タペストリー関係者の間の結びつきを再構築すること、新しい館内演習アプローチを通じて、オービュッソン・タペストリーを建築との強固な歴史的関係の中に改めて位置づけることを企図しているのです。
斬新な館内展示
「国際タペストリー都市」の新しい館内展示は、約1200㎡に及びます。3次元の館内演出は Frédérique Paoletti氏と Catherine Rouland氏によって実現され、現代創作のプラットフォームも備えています。
世界のタペストリー
この最初の展示場は世界各地の織物が展示されており、その技術の普遍性を見ることができます。展示物は、パリおよび地方の著名な施設から集められてきたものです。
展示は5地域(南米、北米、マグレブ、ナイル川流域、近東およびアジア(中央アジア、インド、中国、インドネシア、日本))に分けられています。ユネスコ登録に対する対位法として、同展示は、オービュッソン・タペストリーが世界の随所で歴史上用いられていた普遍的な織技術に根ざすものであることを示すものです。
オービュッソンの技術
オービュッソンのタペストリーに関する技術を紹介するこの展示場では、ユネスコ無形文化遺産の登録対象、とりわけオービュッソンでの制作が創作者の芸術的構想と職人の技術の融合を通じて実現していることを紹介するものです。
タブレット端末の図像・視聴覚資料と展示の品々は、すべての技術を紹介しています。タッチパネル式のゲームを通じてタペストリー作りを体感することもできます。展示物や視聴覚資料は、6世紀にわたり連綿と保たれてきた製糸業者から修復家に至るオービュッソン・タペストリー職人の日々を物語るものです。壁掛けタペストリー、オービュッソン製絨毯、たて機織り絨毯、サラセン式刺繍、刺繍タペストリー、機械織パイル絨毯等、あらゆる作品がご覧いただけます。
壁飾りの広間
新しい館内展示の中心部である壁飾りの広間は、オービュッソン・タペストリーの5世紀半にわたる時の流れの旅にいざないます。その偉大さに相応しい規模の年代別展示となっており、広さ600㎡、高さ7mのスペースに、画廊のようにタペストリーが展示されています。演劇に着想を得た騙し絵の装飾によって、それぞれの時代を想起させ、オービュッソン・タペストリーの世界に存分に浸ることができる館内演出です。
展示は年代別になっており、自由にご観覧いただけます。あわせて紹介されているタペストリーの制作方法に関する数多くの情報は、制作活動に関する前室の展示と呼応するものです。
広間全体で、マルチメディア・タブレット端末が用意されており、様々なタペストリーの技術的特徴を詳らかに見ることができます。技法の解説は緻密かつ教育的価値に富むものになっており、ユネスコ無形文化遺産登録とも関連しています。
創作プラットフォームでの現代の再出発
「国際タペストリー都市」の現代創作に関する種々の機能を具体化するこの実験的スペースは、とりわけ毎年のコンテストで生まれる独創的な作品の展示を通じ、現代も動き続ける「21世紀スペース」となっています。
オービュッソンの職人技術に関するアクティビティープログラム
当館では、職業スペースにて、織り・修復実演をお楽しみいただけます。
ご利用案内
「国際タペストリー都市」は、クレルモン・フェランとリモージュの中間点、フランスの中心に位置しています
開館時間
7月・8月
毎日10時-18時 (火曜日: 14時-18時のみ開館)
定期ガイドツアー(予約不要、無料) : 11時、14時、15時、16時
9月-6月
毎日9時30分-12時、14時-18時 (火曜日 : 終日閉館)
1月全日閉館
料金
基本料金 : 7€
割引料金: 5€ (学生、25歳未満、65歳以上、10名以上の団体)
無料 : 18歳未満、報道関係者、「国際タペストリー都市」友の会メンバ-等
特別ガイドツアー
特別ガイドツアー(要予約) : 40名 までは30€、それ以上は40名ごとに30€の追加料金/時間 : 1時間30分 (ご希望に応じて1時間のツアーも可能)
ご連絡先(受付) + 33 (0)5 55 83 08 30
予約時間の48時間前を過ぎてのキャンセルの場合、ご料金の払い戻しはいたしかねます。
アクセス
住所
Rue des Arts - BP 89
23200 AUBUSSON - FRANCE
当館入口所在地
Rue Williams-Dumazet
23200 AUBUSSON - FRANCE
鉄道をご利用の場合
Paris-Austerlitz駅から Brive方面で、La Souterraine駅下車。La Souterraine駅からはAubussonまでバスを利用。
バスをご利用の場合
以下の路線のAubusson Gare routière駅で下車。
・17番線 : Clermont-Ferrand - Aubusson / Felletin
・19番線 : Limoges - Aubusson / Felletin
・5番線 : Montluçon - Aubusson / Felletin
・国鉄(SNCF) バス : La Souterraine Gare SNCF - Aubusson
お車でお越しの場合
所在地 : 緯度 45.954350 経度2.166709
Limoges - Clermont-Ferrand間 : 高速道路A71、 A89 および 国道RN145 (RCEA)が最寄り
パリから : 高速道路A10(Vierzon 方面) 。Montluçon からN145を利用。Gouzon出口からD997でChénérailles、D990 で Aubusson。
リヨンから : 高速道路A89(Clermont-Ferrand方面)。 Bromont-Lamothe 出口からD941でAubusson方面。
ボルドーから : 高速道路A89(Libourne方面)。23番出口から Ussel centre方面。 D982でLa Courtine方面。
カーシェアリング
「国際タペストリー都市」は、カーシェアリングのサイト(下記。フランス語)の目的地のひとつです。
駐車場
Place Maurice Dayras、 Esplanade Charles De Gaulle または Gare routière.
施設のご予約
大講堂 190席 : 半日200 €、終日350 €
講堂 150席 : 半日50 € 、終日75 €
会議室 40席 : 半日25 € 、終日40 €
事務室 10席 : 半日15 € 、終日25 €
現代創作プラットフォーム 40席: 半日25 € 、終日40 € (ご利用の可否は展示状況によります)
ご予約: + 33 (0)5 55 66 66 66
資料館
資料館は一般にご利用いただけます (要予約 : + 33 (0)5 55 83 08 33)。資料の貸し出しは行っておりません。
芸術家に関する資料探索およびタペストリー、アトリエの特定に関するご要望は、郵送 (Centre de documentation de la Cité de la tapisserie, Rue des Arts – 23200 AUBUSSON) またはメールにて承っております。